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由葵るゆ先生インタビュー『午前0時、とけあう熱~カラダが覚えてる運命のシンデレラ』

「運命は自分で変えてみせる!」大好評連載中の『午前0時、とけあう熱~カラダが覚えてる運命のシンデレラ』は、
辛い境遇にあっても力強く生きる主人公・メルを描いた、新たなシンデレラストーリーです。
誰もが知る童話の世界を美麗な絵とオリジナル要素で彩っていく作者・由葵るゆ先生。
随所に散りばめられた今作の「こだわり」を、たっぷりと語っていただきました!

 

――今回のインタビュアーは、担当編集のSです!
まずは今作について、ご紹介をお願いします!

今作は、グリム童話の名作『シンデレラ』をオマージュしたTL作品です。
義母たちに虐げられてきたヒロイン・メルが、自らの力で運命を切り開くべく、王子・アデルをはじめ、さまざまなキャラクターと共に一人の女性として強く生きる姿を描いています。

『シンデレラ』の要素を作中に散りばめつつ、第3話までを物語のプロローグとして描き、第4話以降はどんどんとオリジナル要素が濃くなっていきます。童話の展開からは分岐し、今作ならではの物語が動き出していくので、どんな展開になっていくのか、オリジナルストーリーを楽しんでいただけたらと思います。

 

――『シンデレラ』をテーマに描く上で、特に意識していることはありますか?

今作は架空の国が舞台のファンタジー作品ではありますが、魔法は一切存在しません。
『シンデレラ』には欠かせない魔法使いやカボチャの馬車、魔法で作られる華やかなドレスが登場しない、ある意味でリアルな世界です。
魔法使いの代わりに幼なじみのダミアンがいたり、ガラスの靴ではなくボロボロに履き古した靴であったり、『シンデレラ』の要素を今作ならではの存在に変換させ、読む人が物語へと入り込みやすいように心がけています。

――今作のヒロインであるメルについてご紹介をお願いします。

メルは辛い境遇で育ちながらも決してめげず、何事も諦めない強い心の持ち主です。
「可愛いだけでなく、強くあってほしい」という想いを込めて作りました。
また、自分の作品では珍しく美少女の設定なので、メルを描く時はいつも緊張してしまいます…!

――メルは内面も外見も魅力的な女性ですね…!そんなメルと恋に落ちる王子・アデルの魅力を教えてください!

アデルは自分にも周りにも厳しい面がありますが、立場の弱い人に対してきちんと耳を傾けることができる人。
メルとは違った心の強さを持つキャラクターです。
凛とした威厳のある王子の顔を見せたかと思えば、恋愛に対してはウブなところがあったりと、ギャップを楽しんでいただけたら嬉しいです。
そして、アデルがメルと出会ってどう変わっていくのか。
今後はメル以上に色んな表情を見せてくれると思うので、彼の変化や成長ぶりをあたたかく見守っていただきたいです!

――アデルがどのように変わっていくか楽しみです!
そして、アデル以外に今作にはダミアンやジャスティンといった魅力的なサブキャラクターが登場します。
彼らは二人の関係にどのような影響を与えていくのでしょうか。

序盤こそ出番が少ないですが、彼らは今後この物語に欠かせない重要なキャラクターになっていきます!
設定はしっかりと練り上げているので、これからもっと深掘りしていきたいですね。
メルとダミアンの特別な空気感やジャスティンの本当の顔など、サブキャラクターである二人の言動にもぜひ注目してみてください!

――キャラクターを描く上でこだわっているポイントはありますか?

今作では、今後もさまざまなキャラクターが登場する予定です。
こだわりポイントとしては、どのキャラクターに対しても、読む人に刺さるキャラ作り、「推し」になってもらえるキャラ作りを目指しています。
そのためには、キャラクターひとりひとりに対する深掘りが大事かなと思っています。
なぜその行動を取るのか、目に見えないバックグラウンドまで作り込むことで、読む人に愛されるキャラクターになると考えています。

――作画面でのこだわりポイントはありますか?

キャラクターが今何をしているのかが分かりやすく伝わるように、一コマ一コマ丁寧に描くことを意識しています。
また、髪の毛をあまり描き込み過ぎないように気をつけています。昔から髪の毛を描くのが好きで、ついやり過ぎちゃって。あとから減らす時もあります(笑)

――メルの髪の描きこみはいつも美しくてうっとりしてしまいます…!

ヘアスタイルでいえば、メルには色んな髪型をさせたいですね。
今後はドレスアップするシーンも増えてくると思うので、華やかな衣装と共にメルの新しい髪型を描くのが楽しみです。
イメージしているのは、編み込み系や王道のポニーテール。
メルは運動神経が良い設定なので、アクティブなスタイルも見せていけたら嬉しいです。

――さまざまなメルの姿が今後の展開で見られそうですね!
本作を描くにあたり、アイデアはどうやって思いついているのでしょうか?

私は、描きたいシーンやキャラクターに言わせたいセリフが先に思い浮かぶタイプで。
どうすれば違和感なく物語をそのシーンまで紡いでいけるのか、そのセリフを言わせるためにどうキャラクターを行動させるのか、設定を作り込んでいきます。
アイデアを生む手助けとしては、「音楽」も重要です。
今作の世界観に合う音楽を探して、それを聴きながら作品への気持ちを高めています。

――今作のお気に入りのシーンを教えてください。

第一話のアデルがメルを助けてエスコートするシーンです。
何気ないシーンですが、ここは二人が初めて触れ合う場面なので、ものすごく大切に描きました。

ほかにも、メルがアデルに押し倒されて初めて素顔を見せるシーン。
自分の意志を真っ直ぐに伝えるメルの心の強さが目力に表れるよう、意識して描きました。

第二話の家に訪ねてきたアデルに気がついてメルが驚くシーンも、ここから物語が動き出していくワクワクドキドキ感をメルの表情に上手く乗せられたので、とても気に入っています。

あとは、メルとダミアンのやりとりもお気に入りです。
私には幼なじみがいないので、「こんな幼なじみがいたらいいのになぁ」という憧れの気持ちが詰まっています(笑)

――ダミアンは理想の幼馴染みですよね…!
さて、続いて、執筆中に印象に残った出来事はありますか?

思い出深いのは、今作の表紙を作っていた時ですね。
今作のモチーフが「夜空」なので、表紙の背景は絶対に夜空にしたかったんです。
メルが着るドレスも、『シンデレラ』とひと目見て分かる色にしたかったので、青色が全面に出てくる表紙を目指していました。
ですが、それだと全体的に画面が暗くなり、TL作品のあたたかみが出せず、悩みに悩んでいました。
タイトルの一文字一文字にまでこだわり抜いて、担当編集のSさんと何度も話し合いながらデザイナーさんのお力をかりて作り上げたので、とても思い入れの深い表紙です。
この表紙の青色を見て、今作を思い起こしていただけたら嬉しいですね。

――今作で今後描いてみたいエピソードはありますか?

ファンタジーの世界観を活かしつつ、思い切りドラマチックなエピソードを作っていきたいです。
今作のモチーフである「夜空」が印象的なシーンなど、ロマンチックな要素もいっぱい盛り込んできたいです。

あとは、現代版のスピンオフや『シンデレラ』以外の童話をオマージュしたエピソードなど、今作のifの世界をどこかで描く機会があればなと思っています。
もし舞台が現代に移ったとしたら、アデルは絶対に御曹司だよな、とか。
『赤ずきん』の世界観ならダミアンは狼かな?とか(笑)個人的には色々と妄想して楽しんでいます。

――御曹司なアデルもぜひ見てみたいです!(笑)
それでは最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします!

『午前0時、とけあう熱~カラダが覚えてる運命のシンデレラ』。
通称「ゼロとけ」を早速読んでくださった読者の皆さま、本当にありがとうございます!
これから初めて今作と出会う皆さまには、どうか楽しんで読んでいただけることを切に願っております。
本作は連載作品として、舞台となる国の世界観をがっつりと作り込んだり、分かりやすい敵キャラを登場させたり、初めて挑戦したことも多く、緊張しつつも楽しみながら作っています。
漫画は、読んでいる間は違う世界へとワープして日々の疲れを忘れたり心を癒したりできる素敵なアイテム。
「ゼロとけ」の世界観にも、どっぷりと入り込んで読んでいただけたら嬉しいです。
まだまだ物語は始まったばかり。「もっと続きを読みたい!」と思ってもらえる作品になるよう、日々精進してまいりますので、今後とも応援をどうぞよろしくお願いいたします!

 

インタビューを通し、先生の今作に対する意気込みと愛が伝わってきました。
由葵るゆ先生、ありがとうございました!
童話の道筋を外れ、新たに紡がれていく二人の物語。
ドラマチックでロマンチックな世界観に浸りながら、ぜひ続きをお楽しみください♪

 

☆インタビュー内容へのコメントやご感想は下記まで
comic_info@wwwave.jp

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